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娘さんの小学校時代の品を大切に保管していた母

娘さんから母親の遺品処理をしてほしいとの梅雨明け前に連絡があり、さいたま市内の県営住宅に50代のご夫婦が来られた。

2DKの県営アパートであったが部屋の中は非常にきちんと整理がされていた。一般的に、高齢者のお年寄りは、特に品物を大切にされる習慣が多く、押入れ等からはかなりの年代が古い衣類等を含め収納されているケースが多い。

一人暮らしの娘さんが嫁がれ、ご主人が亡くなってから、15年近くお一人暮らしをされていたらしい。89歳という高齢の為、娘夫婦は同居を以前から勧めていたが、住みなれていたところがいいからとの理由にて県営住宅に住んでいた。県営住宅の自治会世帯数(約80世帯)では高齢のお一人暮らしのお年寄りのご家庭に対して午前中に、必ずひと声活動と称して訪問するようにしており、当日に、おばあちゃまの様子がおかしいとの事にて、娘さんより日頃より鍵を預かっていた自治体の方が訪問をした。布団に横たわり意識はあったが直ぐに病院に搬送され翌日に息を引き取った。

遺品の整理に対しての部屋状況を確認をした際に2DKの部屋の一部屋を拝見させていただき驚いた。4畳半の一室には、娘さんのお雛様、成人式の際に着ていた着物、結婚式当日のアルバムが綺麗に並んでいた。娘さんによると、おそらく病院に運ばれる前日に、永年しまってあった、お雛様のケースを取り出し、ほこりを取り、結んであった紐も新しく取り替えてくれたのだという。何かご自身の死期でも悟ったような光景に見えた。

娘さんの結婚式のアルバムの近くには、綺麗なタオルでアルバムをふき取った跡があり、何より驚かされたのは大学生の孫に対して梅雨明け前にもかかわらず、その年のお年玉をお孫さん宛てに用意をしてあったことであった。娘さんによると、大学生のお孫さんはおばあちゃんが好きであり、薬学部在籍の為勉強が忙しく県営住宅を訪れることも少なくなり、おばあちゃんのことを気にしていたらしい。おばあちゃんが前日まで整理されていた娘さんの品物のうち、お雛様はお孫さんが引き取るという。